就職活動を行っていると、必ず聞いたことがある「インターンシップ」。
インターンシップとは、主に学生が実際に雇用される前にお試しのように職業体験をするものです。
実際にその会社の業務を行ってみたり、学生同士でディスカッションを行う場合が多いです。
これから就職活動を始める予定の学生は、出来ればインターンシップに行く方がメリットを受けることができます。
今回はなぜインターンシップに参加した方が良いのか、インターンシップの概要から目的・メリットデメリットを解説していきます。
就職活動中でインターンシップに興味のある方、まだインターンシップに参加していない方、そもそも行く気がない方も是非読み進めてください。
就職活動を進める上で自己分析や業界・企業研究に非常に役立つ経験です。
インターンシップとは?
冒頭の通り、「学生が実際に仕事を体験する職業体験」です。
多くの企業がこの制度を採用しており、参加する学生も多いです。
株式会社ディスコの調べでは、学生の内87.8%がインターンシップに参加したという結果が出ています。
学生の段階で社会人の働き方に触れることができる貴重な機会です。
業界研究や企業研究で調べた内容は、あくまで公表されている情報でしかありません。
実際に現場で働いている人がどんな働きをしているのか、求人票と相違がないかを発見することができますし、その会社の雰囲気も肌で感じ取ることができます。
ただ現在は新型コロナウイルスの影響から、オンラインでのインターンシップを開催する企業が増えています。
肌で感じることが難しくなりますが、それでも面接前に実際に働いている人と会話をする機会があるので、積極的に参加したいところです。
インターンシップとアルバイトの違い
よくインターンシップとアルバイトが混同されがちで、違いがわからない人もいると思います。
インターンシップは「直接仕事に触れ、自身の適性や仕事への理解を深めること」
アルバイトは「労働と時間の対価に給料を得ること」
インターンシップとアルバイトは似てるようで全くの別物なのです。
インターンシップの一部では給料が発生する場合もありますが、基本的には無給です。
あくまで企業の実際の雰囲気を感じることを目的としているので、労働が目的というわけではありません。
インターンシップの目的
インターンシップの主な目的は「仕事への理解を深め、自身の適性を深堀りすること」です。
中には業界・企業研究がまだ深堀りできていない人もいます。
業界研究・企業研究は就職活動において避けることができない項目です。
まだできていない・不十分な方は色んな業界のインターンシップに行きつつ並行して研究を行いましょう。
また、研究出来ている人でも実際に働いているところをイメージすることはできません。
やはり直接働いている人を間近で見る機会はほとんどないためです。
業界研究・企業研究が済んでおり、希望の業界を絞り込んでいる人は、本当に自分が想像する働き方をしているのかの最終チェックが出来ます。
インターンシップに行く人と行かない人では、実際に働いてみて想像と違った、という人の割合が大きく変わってきます。
始める時期に決まりはない
インターンシップに行き始める時期は、明確には決まっていません。
行きたい・行ける時期に募集しているインターンシップに応募すれば大丈夫です。
多くの人は大学3年生の夏ごろから行き始めます。
中には大学1年生・2年生から行く人もいます。
ただ、いつ行くかでそこまで大きく影響は出ません。
行きたい・行ける時期に、学業に支障のない範囲で参加しましょう。
企業によっては後述するように長期の場合があるので、時間が取れる大学2年生あたりで始めると効率良く企業を回ることができます。
3種類のインターンシップ
インターンシップには3種類があります。
分け方は日数の違いです。
長くなるほどより深くその企業のことを知る機会があります。
実施期間は夏や冬の長期休み期間中が多いですが、それ以外の講義がある期間に実施されることもあります。
志望度や研究度合い、自分のスケジュールなどと相談しながら、参加するインターンシップを選びましょう。
1dayインターンシップ
その日限りのインターンシップです。
2~3時間のグループワークや役員・社員との座談会を実施する場合が多いです。
色んな業界・企業を知りたい学生には、1dayで多くの企業のインターンシップに参加すると便利です。
漠然としたイメージから、業界・職種を絞り込むことにも利用できます。
合同説明会では聞けなかった企業の中身を知ることが出来てオススメです。
短期インターンシップ
1週間から1ヶ月程度の期間のインターンシップです。
夏休みや冬休みの長期休み中に実施されることが多いです。
企業説明会や5名程のグループに分かれてグループワークを行ったりします。
企業によっては選考を兼ねていることもあり、グループワーク中の働きや態度、学生間のコミュニケーションなどから正式採用が決まったり、一部の選考が免除になったりすることも。
企業によりますが、駅から会社までの道中に社員を置き、その間での行いも見られていることもあります。
最寄り駅から会社まで通る際は気を抜かないようにしましょう。
就職したいと志望度が高い企業のインターンシップがあれば、積極的に参加してください。
もしインターンシップ中に極端に悪印象を与えた場合を除き、思うように印象に残せなかったとしても問題ありません。
何も声をかけられなかった際は、通常通りに応募しましょう。
企業によっては給料が発生することもあります。
必ず応募前に確認しておきましょう。
長期インターンシップ
1か月を超える期間、年単位で行うこともあるインターンシップです。
職業体験というより、ほぼ就業しているといえるでしょう。
給料を支払われる場合が多く、即戦力レベルまで成長することもできます。
学生のうちから社会人としてのスキルが得られるので、卒業後すぐに活躍したい人や、起業をしたいと思っている方は是非参加しましょう。
給料が発生するので、学生というお客様というより、その企業の社員として見られます。
より就職後のイメージが付きやすく、自分に合っているかの判断がしやすくなります。
成果を出すことが出来れば、そのまま内定をもらったり就職活動に大きく有利になることもあります。
僕の周りでも長期インターンシップを通してそのまま内定をもらい、就職した人も実際にいます。
自分に合っている・このまま働きたいと思った人の中には、大学を卒業せず退学し、正社員になる人も。
志望企業が明確に決まっているなら、募集があれば必ず応募しましょう。
応募を後回しにしてしまうと、いざ応募しようという気になった時には締め切っている場合があります。
思い立ったが吉日!
選考の流れ
リクルートキャリア 就職みらい研究所「就職白書2017」によると、2016年度にインターンシップを実施した(予定含む)企業の選考方法は、「書類」が41.8%と最も多く、「先着順や抽選」28.8%、「面接」16.4%、「適性試験」7.1%、「筆記試験」2.3%と続きました。
一方選考していない企業は35.2%と、約3分の1の企業は選考を実施していません。
前述の1dayインターンシップにおいて選考していない企業が多く、また1dayが一番多く募集しているからです。
書類選考
基本的には履歴書やエントリーシートといった書類で選考する場合が多いです。
志望動機や自己PRといった、就職活動でもよく聞かれる項目を記入するので、就職活動でも使えるように考えておきましょう。
履歴書は大学指定の書式、エントリーシートは企業が指定する書式で提出しましょう。
申込時や面接時に持参したり、郵送やWebで提出など企業によって様々です。
応募の際に必ず確認しておきましょう。
適性試験・筆記試験
当日会場で受験したり、テストセンター・Webで受験します。
SPIや玉手箱、CABをはじめとした様々な種類の試験があります。
それぞれ本やネットで学習しておきましょう。
就職試験では必ずといっていいほど受験することになります。
特にSPIと玉手箱を採用している企業が多いので、この2つを重点的に学習すると効率的です、
企業によって採用している種類が違うので、できれば事前に情報を集めておくと効率良く学習することができます。
面接
面接だけ、というわけではなく、筆記試験や適性試験、書類選考を通過した後に行われることがほとんどです。
就職活動のようなガチガチの面接ではないので、気負いせずに臨みましょう。
よく聞かれる質問は、
- 志望動機
- 自己PR
- 学生時代何に取り組んだか
これらの質問を深掘りしていくような流れで進むことが多いです。
たまにイレギュラーな質問が飛んできたりすることもありますが、焦らず落ち着いて答えれば何の問題もありません。
慣れてくれば返答のパターンが自分の中で決まってくるので、色んな企業の面接を受けることをおすすめします。
インターンシップのメリット・デメリット
インターンシップには多くのメリットがあり、目的を持って参加すれば就職活動の大きな助けになります。
デメリットも少なからずありますが、それでも時間に余裕があるなら参加しましょう。
メリット
メリットは以下の5つです。
就職活動前に行うことができるので、就職活動の準備が何もできていない人でもOKです。
むしろ、インターンシップを一通り経験してから業界や企業を絞っていくというのもアリです。
実際に希望の職種で就業できる
長期インターンシップなら、希望している職種で実際に働くことができます。
仮に希望の企業がインターンシップを実施していなくても、同じような職種の企業はたくさんあります。
資料を見ただけではわからない、給料が発生している「仕事」を間近で経験することによって、就職活動にも大きな影響を与えます。
もし合わなかったとしても、雇用されているわけではないので取り返しのつかないようなことにはなりません。
より深い企業・業界研究ができる
内部からインターンシップ先の企業を見ることができるので、より深い研究ができます。
資料を見てもわからないことも知ることができます。
まだ何の研究もできていない人ほど積極的に参加しましょう。
インターンシップも一つの就職活動なのです。
就職活動で有利になる
インターンシップが選考を兼ねている企業は少なくありません。
そのまま内定をもらったりすることも十分あり得ます。
希望の企業で実際に体験し、このまま働きたい!といった人ならそこで就職活動が終わります。
もちろん他の企業にも参加してみて、やっぱりこの企業で社会人になりたい、ずっと働きたいと思うこともあります。
長期インターンシップに参加する学生が少ないからこそ、希望の企業が実施していれば是非参加しておきましょう。
入社後のミスマッチを防げる
新卒入社の約3割が3年以内に退職しています。
大きな原因の一つとして、「思っていたのと違った」ことが挙げられます。
イメージと違うことは、体験していないので当たり前のことです。
理想と現実は全く違うことを理解していないければ、このようなミスマッチが起こってしまい耐えられなくなってしまうのです。
インターンシップで前もって経験していれば、せっかく新卒で入社してすぐに退職してしまうという可能性が減ります。
ただインターンシップで思っていたのと違うからといってすぐに逃げ出すのは良くありません。
仕事は辛いこともたくさんあるので、成果を出すまで頑張りましょう。
人脈作りができる
企業の人はもちろん、同じ業界を志望する他大学の学生と出会えます。
就職活動において情報は大きなメリットです。
それを交換しあい、お互いの就職活動が上手くいくようにもなります。
一人より仲間がいた方が、多くの情報を集めることもできますし、同じ選考にいればリラックスすることもできます。
デメリット
基本的にメリットが多いインターンシップですが、デメリットが発生する場合もあります。
たかがインターンシップと舐めてはいけません。
選考の一部になっている企業もあるので、以下のデメリットには注意しましょう。
悪印象を持たれ、就職活動に不利になる
インターンシップで悪印象を持たれる可能性もあります。
積極的に参加していない、素行不良などです。
学生たちの言動を、企業の人はしっかりチェックしています。
もし悪印象を持たれれば、就職活動でも不利になることもあり得ます。
倍率が高いこともある
インターンシップに参加する学生が年々増えてきているので、人気の企業だと選考の倍率が高くなってしまいます。
そのため書類選考や面接、筆記試験など対策を念入りに行う必要があります。
学業との両立が難しい
短期や1dayのインターンシップなら、長期休み期間中に行われることが多いので時間的に余裕はあると思います。
長期インターンシップは、1か月以上にもなってくるので、学業との両立が難しくなります。
週何日以上、1日何時間以上と就業時間が決まっています。
スケジュール管理が非常に難しくなるので、苦労する学生は少なくありません。
目的がなければ無意味な時間を過ごすことになる
当たり前のことですが、目的がなければ本当に何の価値もありません。
必ず目的を持って参加しましょう。
ただただ辛い毎日を送ることになり、就職活動にプラスになることは得られません。
1つでいいので、参加する前に目的を見つけておきましょう。
インターンシップ先企業の探し方
インターンシップ先の企業の探し方は主に3つです。
できれば複数の方法を同時に併用しながら探しましょう。
求人サイト・アプリ
最も主流なのが求人サイトや求人アプリを利用して探す方法です。
大手になるほど幅広い業種の多くの企業が、特化型だとその業界の企業が登録しています。
業界や職種が絞れているなら、特化型の方が探しやすくなります。
一つだけだと希望の企業が載ってなかったりするので、色んなサイトを併用すると見つけやすくなります。
企業のホームページ
希望先の企業のホームページで募集していることもあります。
求人サイトに登録していない企業もあるので、見つからなかった場合はホームページを見てみるのも一つです。
もし募集していなかったとしても、お問い合わせから申し込むのも良い方法です。
その場合、文言には注意して送りましょう。
合同・Web説明会
インターンシップに向けた説明会が開かれることがあります。
開催は不定期ですので、しっかりと情報を集めましょう。
現在はオンライン説明会が主流になってきているので、自宅にいながら遠方の説明会に参加できるようになっています。
僕が就活生だった頃はオンライン説明会なんてものはなかったので、うらやましく思っています。
必要な事前準備一覧
インターンシップに参加が決まった場合、いくつか準備しておくことがあります。
忘れてしまうと、困る場面も出てきます。
できれば前日までに全て揃えておきたいです。
持ち物
- 筆記用具
- スケジュール帳
- メモ帳
- クリアファイル
- 履歴書・エントリーシート
- モバイルバッテリー
就職活動において上記は必須です。
前日寝る前・家を出る前に絶対に一度確認しましょう。
特に履歴書やエントリーシート、筆記用具がなければ選考にすらなりません。
服装
- リクルートスーツ(女性はパンツ・スカートどちらでも可)
- カッターシャツ
- ネクタイ(男性)
- 腕時計
- 革靴
リクルートスーツで行けば基本的に問題ありません。
中には服装の指定がなかったり、オフィスカジュアルという企業もあります。
必ず確認しておきましょう。
ただし企業によっては「服装自由」と書いてありますが、そのままの意味で受け取って私服で行くととんでもない恥をかくことになります。
その他
- 自己PR・自己紹介
- 志望動機
- 質問
就職活動の一環としての役割があります。
就職活動を意識して、自己PRや志望動機を考えておきましょう。
また、インターンシップ先の社員に質問する場面があります。
疑問に思うことやもっと知りたいことなど質問をすることによって、印象付けすることができます。
目的を持ってインターンシップに参加しよう
インターンシップとは何かから、準備するものまで解説しました。
就職活動の一環なので、言動に注意することはもちろんのこと、何をしに行くのかはっきりさせておくことが大事です。
目的がなければ参加する意味がありません。
何を知りたいのか、何を経験したいのか事前に考えておきましょう。
就職活動が有利になることも多いので、少しでも不安な方は参加することをおすすめします。
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