リターゲティング広告とは何か?「種類・メリット・仕組みまで網羅」

Web広告

【リターゲティング広告】という言葉は、広告業界で働いている人には聞き馴染みのある用語です。

しかしこれから広告業界に挑戦したいという方は初めて聞く単語でしょう。

リターゲティング広告とは、一度広告に興味を持ったユーザーに対して、別のサイトでも広告を表示させる広告のことを指します。

広告をクリックしたものの購入まで至らなかったユーザーに再度表示することで、購買率を高めることを目的としています。

Web広告ならではの強みを持った広告の一つと言えます。

今回の記事では、リターゲティング広告について完全には理解できていないWebマーケターの方向けに、Web広告では非常に重要な広告の一つであるリターゲティング広告を深く知ることができるように解説します。

リターゲティング広告とは

リターゲティング広告とは、広告を再表示させる広告の形式のことを指します。

サイトをいろいろ見ていると、同じ広告が何度も表示されることがあると思います。

どのサイトに行っても同じような広告が出てきたりすることもあります。

これは、「cookie」を利用して追跡しているリターゲティング広告によるものです。

「cookie」とは、WEBサイトの提供者側が、ブラウザを通じてユーザーの使用端末にデータを書き込んで保存させる仕組みです。

ブラウザでIDやパスワードが勝手に入力されていたりしませんか?

これは「cookie」が利用され、あなたの入力した情報が保存されているためです。

リターゲティング広告はこの「cookie」を有効利用して広告を再表示させています。

では、リターゲティング広告の仕組みはどうなっているのでしょうか。

リターゲティング広告は、リターゲティング用の「タグ」というものがあり、これを特定のサイトに貼り付けます。

タグが埋め込まれたサイトを訪問した際に、ユーザーにcookieが与えられます。

その目印となるcookieを追跡して、別のサイトを訪れたユーザーに対して広告を表示させているのです。

実は、サイト訪問者の9割が購入まで至らずサイトを離脱しています。

つまり、訪問者の内購入しなかったこの9割の人がターゲットになっています。

一度興味を持って訪問しているので、初めて広告を見る人に比べて購買率が高くなります。

心理学用語で【単純接触効果「ザイオンス効果」】というものがあります。

これは、最初は興味のなかったものでも、何度も接触していくうちに好感を覚えるという心理的現象です。

広告でも同じことで、何度も目にしているうちに興味を持たせる狙いがあります。

マーケティングにはこのように心理学を駆使している手法がよく取られています。

リターゲティング広告における「リスト」とは

cookieが与えられたユーザーの一覧を「リスト」といいます。

顧客リストとも呼ばれ、リターゲティング広告を成功させる重要な項目になります。

以下のように様々なリストを作成できます。

  • サイトを訪れたユーザー全体
  • 特定のページを訪問したユーザー
  • CVに達した・達しなかったユーザー
  • 特定の端末を利用しているユーザー
  • 特定期間にサイトを訪問したユーザー
  • 年齢・性別

このリストを併用して、自社の商品・サービスに適したユーザーにアプローチすることが重要です。

化粧品なら女性がメインターゲットになるでしょう。

高額な商品であれば、一度購入したユーザーに再度広告を表示させる必要はありません。

それよりも購入まで至らなかったユーザーに表示させる方が効果が出るでしょう。

配信可能な媒体

リターゲティング広告を始める際に、初めに配信する媒体を選びましょう。

主に下記の3種類あります。

それぞれ特徴が違うので、ターゲット層や配信したいサイトをよく確認した上で決定してください。

GDN(Googleディスプレイネットワーク)

GDN(Googleディスプレイネットワーク)の略です。

基本的にGoogleが提供するサービス・提携しているサイトに広く表示されます。

  • YouTube
  • Gmail
  • 食べログ
  • ライブドアブログ
  • pixiv

上記の他に、Google AdSenseの広告枠にも配信されるので、非常に多くのユーザーに見てもらいやすくなります。

YDA(Yahooディスプレイアドネットワーク)

YDA(Yahooディスプレイアドネットワーク)と呼ばれる、Yahooが提供するサービスに配信する媒体です。

2020年度から、YDN(Yahooディスプレイネットワーク)より変更になりました。

今までYDNを利用していた人は、YDAに変更しておきましょう。

一部の広告は設定内容をそのまま変更することができないので注意してください。

  • YahooJapan
  • Yahoo!知恵袋
  • クックパッド
  • Yahoo!ニュース
  • Yahoo!メール
  • アメブロ
  • ニコニコ動画

上記のように、Yahooが提供・提携するサービス、に配信されます。

SNS

多くのユーザーがいるSNSにもリターゲティング広告を配信することができます。

  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram

YDAやGDNよりも、ユーザーの興味関心を深く分析することができます。

そのため、より購入に至るであろうユーザーに対して広告を配信できるので、より効果的だといえます。

主要3種類の広告メニュー

媒体の選定が終わったら、次は広告メニューを選びます。

これも配信したユーザーを想像し、より自社商品に合った広告メニューを選択しましょう。

代表的な広告メニューは以下の3種類です。

ディスプレイリターゲティング

広告枠のあるWebサイトの広告枠に配信するメニューです。

テキストや動画、画像での配信が可能です。

ディスプレイ広告について、下記の記事で詳しく解説しています。

動画リターゲティング

主にYouTubeなど、動画を視聴している際に表示される広告です。

自社の動画を視聴したユーザーに対して広告の配信をすることができます。

ディスプレイ型や検索結果の広告メニューと併用できるプランもあります。

検索結果リターゲティング

検索結果のページに表示させるメニューです。

興味を持って検索したユーザーにアプローチできるので、購買率が高くなる傾向にあります。

広告の表現方法がテキストのみなので、いかに魅力的でクリックしてもらえる文を作れるかが鍵になります。

リターゲティング広告のメリット・デメリット

上記のような特徴を持ったリターゲティング広告ですが、メリットもデメリットもあります。

どちらもしっかり頭に入れておいて、他の広告と比べるときの参考にしましょう。

特にデメリットが大きいと感じられたなら、他の広告にする方が無難かもしれません。

もちろん商品・サービス毎に受けるメリット・デメリットの大きさは変わってきます。

自社の商品やサービスならどうなのかをよく吟味しましょう。

メリット

1,費用対効果が高い

リターゲティング広告は他の広告と比べてクリック課金の額が低い傾向にあります。

また、購買率も高いことから、費用対効果が高い広告の一つです。

リストから購入意欲の高いユーザーにアプローチすることができるため、費用対効果が高くなりやすいです。

2,購買率が高い

費用対効果が高いメリットと少し被りますが、意欲の高いユーザーを狙って配信することができるので、購買率(コンバージョン率)が高くなります。

興味を持って広告をクリックしたユーザーに対して再度表示させるので、一度目で購入まで至らなかったものの購買意欲が高まっているタイミングで配信することで購買率を高めます。

他の広告ではできない2回目3回目のアプローチによる印象付けが可能になります。

3,配信するターゲットを絞りこめる

cookie機能があることにより、一度目で購入まで至らなかったユーザーを様々なリストで分類分けすることができます。

この機能により、より購入意欲が高いユーザーに再アプローチできます。

闇雲に広告を配信してもクリック率・購買率を高めることはできませんが、リターゲティング広告なら容易に高めることが可能です。

的外れな配信をなくすことで、効率の良い広告運用を行えます。

デメリット

1,広告がしつこいと思われる可能性がある

ユーザーによっては、何度も同じ広告が出てきたら、

「この企業の広告、何度も出てきてしつこいな・うざいな」

「うっとうしいし、この企業は嫌い」

となってしまい、ブランドイメージを損なう可能性があります。

短期間に何度も配信するような設定だと、せっかくの優良ユーザーにも離れられかねません。

適切な表示頻度に設定するように日々データ分析を行いましょう。

2,新規・潜在ユーザーには不向き

一度広告をクリックしたユーザーに対して再度表示させる広告のため、全くの新規ユーザーの獲得には不向きです。

そのため、新規・潜在ユーザーにもアプローチするなら、ディスプレイ広告リスティング広告と併用して配信しましょう。

リターゲティング広告の料金

リターゲティング広告の料金体系は主に2種類です。

1日あたりの課金額に上限をかけることができ、上限に達した場合広告の配信が一時停止されます。

企業では広告に割ける費用が決まっているケースが多いので、設定しておけば予想以上の費用は発生しません。

広告運用を広告代理店に依頼する場合、広告費用の約2割が報酬になります。

初期費用なども求められることもありますので、依頼する際は多めの費用を確保しましょう。

クリック課金

およそ1クリック50円~100円が目安です。

キーワードや広告ランクによって変動するので、競合が多いキーワードの中には数千円するものもあります。

それ以外では100円以下に収まるケースが多いです。

インプレッション課金

1,000回表示毎に数百円程かかります。

クリック回数は関係しないので、クリック率が高いほどお得といえます。

どちらかというと、ユーザーの獲得というよりブランドの認知がメインです。

認知度を上げる時に適しています。

リターゲティング広告を成功させるために

リターゲティング広告について、様々な要素を解説してきました。

一度の囲い込みではなく、2度3度のアプローチにより購買率を高めることができる広告形式です。

しかし、ユーザーを追跡していくだけでは広告運用を成功させることができません。

リターゲティング広告を成功させるために、

  • 配信時期に注意する
  • リストを活用する
  • データ分析を行う
  • PDCAサイクルを回す

上記は必須項目です。

Web広告は、即データに反映されます。

このデータを基に、自社商品はどの層に興味を持ってもらえるのかを分析しましょう。

SNSでも配信することができるので、ユーザー数が膨大なSNSを積極的に活用することで、より高い効果が見込めます。

広告運用には正解がないので、日々試行錯誤していきましょう。

他にも広告の種類はたくさんあるので、転職前に一度目を通しておくとスムーズに馴染めますよ。

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